チュニジア発、変格ミステリ誕生。 シリア難民の背に刻まれた“ビザ”は、幸・不幸のどちらへ導くのか。 ラスト20分間は、ミステリ通でも予想できぬ展開。
――茜灯里(作家・科学ジャーナリスト)
アートとはなにか? その定義は時に曖昧で揺らぐという、アートの特異性を巧みに操ったスリリングなストーリー展開。最後に人を自由にするのはアートか愛か?
――岩渕貞哉(美術手帖 総編集長)
最先端芸術界のなんともやり切れない空気の中、サムの笑顔がふと浮かびその「無意味」が「絵を描く」ことの喜びに色を灯す・・・それが救い。
――大竹伸朗(画家)
アートは自由なものだなんて言葉を良く聞きますが 実は不自由なものなんじゃないか?  不自由だからこそ面白いものなのか? 自由って何だろう? 
――加賀美健(現代美術作家)
ベルギーの現代アーティスト、ヴィム・デルボワによる実在の作品《ティム》に着想を得たとされる本作。人間の背中の入れ墨が作品として展示され、売却され、競売にかけられる過程では、世界の現代アート界にみる倫理問題、白人・欧米中心の不均衡な構造が批評的に埋め込まれている。欧州圏内26カ国間を自由に移動可能なシェンゲンビザがタトゥーのモチーフになっていることに加え、シリア難民に向けた欧州内の差別や冒涜、搾取、人身売買、人権問題、テロリズム、フェイクニュースなど世界の今日的課題が、そこに絡み合う。全体に通底するのは、格差を超えて貫かれる愛。ラブストーリーとしてはハッピーエンドだが、社会的地位、成功、承認などさまざまな欲望が同時に浮き彫りにされ、後味はかなり複雑。また、この映画が日本で上映されることは、欧米でも紹介される刺青文化を考えさせ、さらにはマオリ、アイヌなどの先住民文化にみる刺青の伝統と歴史についても想いが拡がるだろう。
――片岡真実(森美術館館長)
社会派でありながら、娯楽性も十二分のエンタメ作品。 この広い幅と深い内容を一本の映画で完璧に表現しているのは、すごい。
――亀野仁(作家・映像プロデューサー)
 誰かと共に観たい映画だ。  必ず、語りあいたくなる。  人生の意味とは。自由とは。持てる者と持たざる者の相克とは。  そして、気づく。恋人に逢うために背中を売ったサム・アリは、シリアから遠く離れた極東のこの日本で、今日を生きる私達の似姿でもある。私達も、自分の一部を切り売りして、日々、生きている。流石に、陳列され、オークションにかけられることはないだろう。けれども、時間、体力、能力、容姿、信条、etc.売れるものは何でも売る。  大昔、“人間は、決して、目的のための手段にされてはならない”と語った哲学者がいたけれど、現代の社会で、私達自身が経済的な手段にならずして、どうやって、食べていけるというのだろう。  ねえ、愛する人のために、何を売れる?  仕事も家もなかったら、どうやって稼ぐ?  映画を見ながら、問い続けていた。世界には、サムのような持たざる人々が、何千万人もいる。祖国を追われ、仕事も住む家もなく、明日、何を食べればいいのかと悲嘆にくれるとき、私には、一体、何ができるだろう。  本当に、すごい映画だった。  浅薄な言葉では語りつくせない。  最後の場面が、私は一番、好きだ。  人生の意味を売ると豪語するジェフリーと、本当は、最初から人の生きる意味を看破していたのではないかと思わせるサムとの、静かな対話が火花を散らす。 「自由の身だな」と言うジェフリーに、「Yes, I am. 今までと同じくね」とサムが返したのに、思わずクスッと笑ってしまったのは、きっと私だけではないだろう。人間性を阻害され、皮膚=外面だけの価値を認められていたサムと、が認める内面の価値はで、実は外面だけの存在だったジェフリーとの、痛快な、逆転劇である。  カウテール・ベン・ハニアから、スクリーン越しに渡された“魔法の絨毯“は、きっと、どこにも飛んでいけない絨毯だ。何某かの代償を魔物に差し出さずとも、最初から、人は、“自由と愛”を携えている存在なのである。戦乱の地にあっても、流浪の民となっても、それは変わらない。
――北原真理(作家)
タトゥーを彫ったら何かが変わるだろうか? そりゃ変わるだろう。何が変わる? そう。人間から、アートへと。
――城戸喜由(作家)
究極の芸術作品とは?と考えさせられる映画。 本編に出てくる一枚の絵はシーン毎に価値と作品のタイトルが変わる不思議な絵でした。
――ミサイルマン岩部彰(お笑い芸人)
自由な今の日本にいると身近に感じれない紛争、難民問題 そんな中この作品は現代美術と恋愛というフィルターを通してポップに奇抜にお洒落に感じさせてくれた 自由のために背中に背負った「自由」 「自由」が自由を苦しめる。 オシャレなカットもたくさんあって美術館に行ったような上質な時間を味わえた そしてまさかのエンディング!? この監督も背中に作品を掘る様な狂気の類いの監督や。 エンディングを見た時のこちらのリアクションすら作品の一部にしてるんちゃうか!? そっか我々は監督に自分の顔を買われていたのかも(笑)♪
――ミサイルマン西代洋(お笑い芸人)
国家と自由、自由と芸術、芸術と市場、そしてすべてを支配するシステム。 精緻なストーリーの導く驚愕のラスト。逃れる道はある、のか
――平居紀一(作家/このミス文庫グランプリ受賞)
アートは際限がなく、「これはアートだ」と言ったもん勝ちだと思う。 観ないとセイでしょう〜。 あと主人公の背中の筋肉は程よく隆起し、 シンメトリーが取れていて僕にとってはアートでした!
――レイザーラモン HG(お笑い芸人)
※敬称略/五十音順